「思考を思考でなだめて逃げない」という言葉。
「思考を思考でなだめて逃げない」という言葉があります。
ある本に書いてあった、好きな言葉です。
思考を思考でなだめて逃げる?
例えば、人間関係でイヤなことがあって、相手の人に対して、あの人のあれが良くない、これが良くない、、、など思った時に、その良くない!という思いや苦しさをそのままに、「でも、あの人にもいいところはあるし、、、」という考え方の工夫をムリヤリにして、その場をやり過ごすようなこと。
これを、「思考を思考でなだめて逃げる」と言います。
もちろん、「あの人にもいいところはあるし、、、」という考えは、相手を理解・尊重しようということですから、決してその考えが悪い!ということではありません。
でも、その考えで、もともとあった思いや苦しさにフタをしてしまうことには、かなり問題があります。
というのも、こうした方法は、どうしても一時しのぎになってしまうのですね。その一時は表向き明るい気分に立ち直っても、しばらく時間が経つと後で、自分の中でフタをされていたその思いがまたよみがえって来て噴出したりするものなんです。
このブログでは、いわゆる「ポジティブ思考」に対して警鐘を鳴らしている記事もあるのですが、その背景はここにあります。「ポジティブ思考」って、どうしてもこの「思考で思考をなだめる」ために使われがちなのです。
ポジティブ思考をしようと思っている時点で、自分の本音の部分ではポジティブではない考え方をしてしまっているもの。あえて「前向きにならなきゃ!」「ポジティブにならなきゃ!」と思いながらつとめて考え方を変えようとする時点で、「ポジティブでない思考」を「ポジティブな思考」でなだめている、と言えます。
ポジティブ思考って、長続きしないのですが、その理由はこんなところにあります。
無理にポジティブ思考につとめるより、しっかりと今感じている苦しさ思いと向きあっていこう。
何らかの苦しい思いを感じている時に、自分を思考でなだめてはいけない。ではどうすればいいのか?
まずは、その苦しい思いと向きあうことです。
自分はどう思っているのか?何が苦しいのか?また、その苦しさを身体はどう感じているのか?に、できる限りでも良いので、まずは目を向けてあげましょう。
苦しいところにあえて注意を向けるわけですから、当然その一時は苦しいです(ですので、初めて臨むときには覚悟を決めてから。無理は禁物です)。でも、軽い苦しみ・重い苦しみを問わず、どんな苦しさでも、目を向けてあげた分だけは、必ず軽くなります。
そして、その軽くなった分だけ、自然と心も前向きになるものです。そして、こうした形で出てきた自分の前向きな心、というのは、つとめてポジティブ思考をすることで得られる前向きさにくらべ、はるかに強く崩れにくいものだったりもします。当方のセラピーも、こんな考えをベースに持って進めさせて頂いています。
一人でできる具体的なやり方としては、
・ 自分の思っていることを、素直に包み隠さず紙に書きだしてみる。
・ 瞑想などで自分の内面を見つめる。
・ 苦しさを感じている自分の身体に働きかける。(ポジティブ思考が苦しい時の対策 をご参照ください)
などがあります。心が苦しい時、つらい感情を抱えているとき、、、などにお試しいただくと良いでしょう。
ただし、内面を見つめることに慣れていない方の場合は、とても重い感情などにいきなり向きあうと、自分の中で感じているものにビックリしたりすることもあります。そういう方は、練習として、「ほんの少しイヤなこと」をピックアップして、それに関する思いを見つめるなど、内面を見つめることに慣れる練習をしてみるのがおすすめです。
もちろん、自分で向きあうことが怖い、、、という方もいらっしゃることかと思います。そうした方の場合は、当方なり、他のところなりで、自分ときっちり向きあうことをサポートしてくれるセラピスト・カウンセラーに依頼をするのがベストです。しっかりしたところであれば、説教するでもなく、無理強いをするでもなく、余計な心身の負担が少ない進め方で、あなたのサポートをしてくれることでしょう。
心と体の統合セラピーに関する情報はこちら。
クライアントの声はこちら。
参考記事:
ポジティブ思考が苦しい時の対策
5月病の原因と、お手軽な対策方法。
体の「コリ」に蓄積される感情
無意識の緊張。気づきやすい場所と気づきにくい場所があります。
コリ・ハリと「筋膜」と心の関係。
心のクセと「コリ・ハリ」の無限ループ。
過去の記憶と体の痛み。
カテゴリー:心と体
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