心と体のお話(2)

心と体の深~いつながり。不思議な世界に思えるけれど、わかってしまえば意外とシンプル?心と体のセラピーの世界をめぐるお話をいろいろ書いています。

あなたの性格・行動・運命にまで深い影響を与える「体のクセ」。

幼いころから、日々の生活の中で積み重ねてきた体のクセ。私猫背なのよね~、あの人、いつもふんぞりかえってガニ股で歩いてるよね~、というのも体のクセの現れです。大人になれば多少なりともクセは付くもの。無縁な人はまずいない、と言い切って良いでしょう。

実は、この体のクセというものは、人の性格・行動などにも影響を与えます。例えば、首をうなだれて落ち込んでいるような姿勢がクセになっているよう人は、性格的にも落ち込みやすい性格ですし、動物が敵を威嚇するようにいつも肩をいからせているような人は、ちょっとしたことでカッとなりやすかったり、、、といった具合です。逆に、いつも背筋がスラっと伸びて、笑顔でいることがクセになっているような人は、やっぱり朗らかな性格だったりします。

こうした分かりやすいレベルにとどまらず、もっと細かいレベルの体のクセが本人の性格・行動に大きな影響を与えることもあります。例えば、どうしても行動力が出なくて困っている!といった問題の原因が、ちょっとした首の歪みや、背中などの豆粒くらいのコリにある、といったケースもあります。

あなたが現在なんらかの性格・行動傾向の問題を抱えている場合は、心のプログラムと同時に、このクセが悪さをしている可能性が非常に高いです。そして、この体のクセは、いつもいつもあなたに影響を与えるのですから、長期的には運命にも大きな影響を与える、と言えます。

体から余計なクセが取れていくと、心の余計なクセも取れ、より幸せな道を自然と心身が選んでいくようにもなります。体のクセを直すことは、あなたがもっと幸運体質になっていくことに直結する、といっても過言ではありません。

「体のクセ」に影響を与える体の重要ポイント。

心と体はつながっている、と言われますが、心・性格への影響という面から見ると、体の重要ポイントは、おおまかには

1.頭蓋骨~背骨~仙骨(頭蓋仙骨系)の活動
2.体のコリ=「筋膜の大小の癒着」
3.昔から蓄積してきた「体の使い方」のクセ

の3つに分けられます。ニューロ・ソマティック・セラピーでも、この3つに焦点を当てて、体のクセを修正していきます。

ポイント1.頭蓋骨~背骨~仙骨の活動

頭蓋骨~背骨~仙骨、およびその内部にある硬膜や髄液などの器官を、ひとまとまりで頭蓋仙骨系と呼びます。この頭蓋仙骨系、実は、一定サイクルで、脈打つような運動を自然に行っています。

この運動は、体のすみずみまでに影響を与え、生命にとっての根幹に関わると同時に、精神面にも非常に大きな影響を与えるもの。この動きがスムーズに、健全に働いているうちは、体も元気、心も元気!でいられます。でも、時として、怪我や、長期的に積み重なったストレスが引き起こす緊張、不自然な体の使い方などが影響してしまい、この動きが阻害され、本来の機能を発揮できなくなってしまうことがあります。

頭蓋仙骨系がスムーズに働かないとどうなるか?心身ともにいろいろ不調が現れます。背筋がちゃんと伸ばせなくなったり、疲れやすくなるのはもちろんのこと、気分も落ち込みがちになったりします。実際に、頭を包帯でぐるぐる巻きにして、この頭蓋仙骨系の動きをわざと邪魔してみよう、という実験をしてみた方は、1週間もしないうちに重度のうつ症状になってしまった!というエピソードも。

そして、大人になれば誰でも、この頭蓋仙骨系の動きは、程度の差はあれ真に健康、とはいえない、「とりあえずは走るけれどもメンテナンスしたほうが良さそうな車」のような状態になっています。

このメンテナンスされていない部分が、体のクセの一部分と言えますが、これにより、疲れやすい、などの体の問題はもちろん、どうも落ち込みがちだ、周囲が見えないと良く言われる、といった心・性格の問題が引き起こされてしまう、というケースも多いです。

当方のセッションでも、クライアントの方の心・性格の問題の根幹に、この頭蓋仙骨系の動きの悪さ、というのが影響しているケースによく出会います。こうしたケースで、軽くこの頭蓋仙骨系の動きを修正するようなワークをさせていただくことで、急速に問題が解決に向かうこともよく起こります。

ポイント2.体のコリ=「筋膜の大小の癒着」

筋肉・筋繊維・内臓など、人間の体のあらゆる器官は、「筋膜」と呼ばれる、柔らかくて強い膜で覆われています。鶏肉をさばくときに、外側にある白い半透明の膜をはがしたりしますが、この白い半透明の膜が「筋膜」にあたります。

健全な状態の筋膜は、弾力・伸縮性に富んでいます。しかし、無理な体の使い方やストレスによる緊張が続いたりすると、この筋膜は細かい癒着を起こして痛みを感じるようになります。この筋膜の癒着こそが、俗に「コリ」といわれる現象です。そう、「肩コリ」「首コリ」などの「コリ」です。そして、このコリ=筋膜の癒着も、体のクセを構成する大きな要素のひとつです。

筋膜が癒着を起こし、コリになっていく原因はさまざま。無理な体の使い方が原因になることもあれば、怪我などが災いすることもあります。

そして、日常生活でのストレスも、このコリに大きく関係しています。わかりやすい例では、パワハラ上司にいつもにらまれていて、ビクビクして首をすぼめているうちに、首まわりの筋膜が癒着してきて最終的に凝りになる。といったケースがあげられます。

こうした状態になってしまうと、このコリという形の体のクセが逆に性格に影響を与えるようになります。先の例で言えば、気楽にしていていい状況なのに、どうもビクビクしてしまう、、、といった具合です。

こうしたケースでは、NLPと、筋膜の癒着を開放するワークを組み合わせて行うことが有効です。心のプログラムと体癖、両方を変えていくことで、望ましくない心と体の振る舞いをスピーディーに軽減していくことが可能です。

ワークの最中には、こうしたコリがほぐれるときに、昔の出来事を思い出したり、強い感情が沸きあがって来たりすることもあります。これは、体にコリという形で溜め込んでいたストレスが解消されるときの現象です。この現象を通過すると、コリも同時にほぐれ、心と体の両方が一気にスッキリします。