筋肉の鎧を外せ! (1)筋肉の鎧って何?

身体に感じるすべてのブロック、緊張や圧力などは、基本的にはタブーとされた衝動や感情を筋肉で押さえ込んだために起きている。
– ケン・ウィルバー(アメリカの現代思想家)

心と体が密接に繋がっていることを表す言葉のひとつに、

「筋肉の鎧」

という言葉があります。ストレスやトラウマを生むような経験の際に、自分の感情を抑えこむために生まれるコリを指す言葉です。自分自身を守るがごとく、筋肉の硬いコリを身にまとうから「鎧」と言います。

頭に血が昇り逆上するような怒りを抑えるために顎とこめかみを締め付けて自分を抑える。
仕事のプレッシャー(不安・恐怖の一種)と戦うために、毎日のように首をこわばらせ、胸を固めて呼吸を浅くして仕事に臨む。
いつもいつも些細なことで怒ってしまう親に怯えて全身を固めて子供時代を過ごす。

例えばこのような経験が、「筋肉の鎧」を作る要因になったりします。仕事や人間関係のストレス、恋愛でのトラブル、親子関係、子供の頃の経験、、、筋肉の鎧ができる要因は様々です。

この筋肉の鎧ができるとどうなるか?

感情を抑えこんでいるため、顕在的に強い感情に悩まされることはありませんが、本人の深いところ(無意識下)では、常に解消されない感情・葛藤・わだかまりが渦巻いている状態になります。身体的にも消耗しやすくなります。深刻になってくると、何をやっても楽しい気分になれない、何もやる気にならない、、、といった状態に陥ることも。

たかがコリ、されどコリ。この「筋肉の鎧」は、心身にかなりの負担を強いる性質があります。

うつ症状がなかなか改善しない、ネガティブな考え方ばかりしてしまう、いつもクヨクヨしてしまう、いつも何か心にわだかまりがあるような気がする、人と話すのが怖い、などのお悩みを抱えていらっしゃる方々の場合は、この「筋肉の鎧」が押さえ込んでいる感情が大なり小なり関わっていることがほとんどです。

こうしたケースの場合は、「筋肉の鎧」がある程度解体される=コリがほぐれることで、元気を取り戻せたり、ネガティブに考えるクセが弱くなったり、心身のもやもやがかなりスッキリしたり、コミュニケーションに伴うストレスが大きく軽減したりします。

逆に、「心が軽くなる考え方」といった種類の本を読んだり、元気を付けるために筋トレをやったり、食生活やお薬を改めたとしても、こうした「筋肉の鎧」が全く解体されない場合、心・性格の問題が根本から解消されることはほとんどありません(一時的に改善したように思えても、しばらく経つと元に戻ってしまうケースがほとんどです)。

身体のコリを軽減するためのさまざまなボディーワークが精神面での改善効果をもたらすのも、この「筋肉の鎧」を解体していく効果を伴うから。当方で心理セラピーに筋膜リリースなどのボディーワークを組み合わせているのも、この「筋肉の鎧」を解体していかないと解決できない心の問題が多いことがその理由です。

今後の記事では、この「筋肉の鎧」の見つけ方、解消方法などについても書いて行こうと思っています。

心と体の統合セラピーに関する情報はこちら
クライアントの声はこちら

参考記事:
「現代人はコリ・クセだらけ!」を、自分の身体では自覚しにくい理由。
筋膜リリースと、トラウマ・邪気の関係。
心の問題に深く関わる「トラウマ」と、その正体。
理由のない苦しさ(不安・落ち込み・もやもや気分など)の原因は?
「鬱屈」という言葉の正体。
体の「コリ」に蓄積される感情
無意識の緊張。気づきやすい場所と気づきにくい場所があります。
コリ・ハリと「筋膜」と心の関係。
心のクセと「コリ・ハリ」の無限ループ。
過去の記憶と体の痛み。

コメントはまだありません »

コメントをお寄せください(管理者承認の後に公開されます)。

コメントの投稿