片付けをやりたくても出来ない!の背景にあるもの、代表3種類。

片付け本・断捨離本を買ってみて、やるぞ~!と意気込んでみたけれど、どうにもそこから先に進まない、身体が動かない。こうした状況でお困りの方は一定数いらっしゃるようです。

そんなケースの背景では、心身のクセ・傾向が片付けを妨げるような形で働いていることが非常に多いです。

そして、この「片付けを妨げるような心身のクセ・傾向」は、大きく分けると3種類に分けられるように当方では考えています。今回は、その3種類のパターンを並べてみました。(人によっては、一つだけではなく、複数が災いしていることもあります)。

パターン1: 心の中が、長年蓄積されてきた「未解決の問題」でいっぱいになってしまっている。
パターン2: 片づけを嫌いにさせるような、心の履歴がある。
パターン3: 単に苦手意識が強い。

パターン1: 心の中が、長年蓄積されてきた「未解決の問題」でいっぱいになってしまっている。

片づけができない、不要なものでも処分することができない、、、というケースのほぼすべてに当てはまります。一番大きな要因になりやすい、とも言えるでしょう。

ここで挙げられる「未解決問題」とは、子供のころからのトラウマ、現在困っている人間関係、仕事などでの心配事、出来事は終わっても後悔が残っていること、自分を縛る固定観念、自分ではあきらめたはずだけれども心の奥底ではあきらめきれていない夢・恋愛など、大小さまざまです。自分で自覚できているものもあれば、まったく自覚できていないものもあります。なお、心の中に「未解決問題」がたくさん蓄積されるかどうかは、その方の生育環境・学校・職場など、本人がコントロールできない環境に影響される部分が非常に大きいため、「未解決問題」が沢山溜まっているからといって、その方はダメな人だ!、という意味では決してありません。

誰でもこのような「未解決問題」は多少なりとも抱えているものですが、それが解消されないまま大量に溜まってしまうと、その「未解決問題」に関わる雑念でいっぱいになってしまって、目の前にあるものが見えていても印象に残らず、片づけをしようというところまで意識が回らない、、、ということになりがちです。

また、特定のテーマが未解決になっていることで、それに関わるものがなかなか捨てられない、なんてことも起こります。昔の恋人からもらったものが捨てられない、などはその典型です(部屋にあるものは、あなたの心の反映、と言われる理由のひとつです)。

ちなみに、この状態にある方は、物事を先送りにする傾向に陥っていることもしばしばです。「未解決問題」が溜まっているほど、部屋は乱雑になり、先送りも増えていく傾向があります。また、人によっては、不要なものを買ってしまうことが良くある、なんて傾向が加わる場合もあります。

この状態に陥っている方の場合は、心身に蓄積された「未解決の問題」を積極的に減らしていく取り組みが有効です。

自分でできる世間的にポピュラーな方法では、瞑想は毎日行っていくとある程度有効です。また、当方のセラピーをある程度継続してご利用される方には、瞑想よりも簡単で取り組みやすく、また効果も上がりやすい方法をご紹介しています。

また、セラピーで大きな心のわだかまりやトラウマが解消された後に、大きく片づけが進むケースもあります。昔は大丈夫だったけど、ある時期から急に片づけに意識が回らなくなった、という方の場合、セラピーを活用されることが有効となる可能性が高いです。

そして、片づけが今よりずっと楽にできるようになりたい!という願いがある方の場合は、心身のわだかまりを日々減らす取り組みと並行して、ある程度(1~数か月)継続的にセラピーを活用されると、ふと部屋を少し片づけたくなったり、不要なものをまとめて捨てたくなったり、次第に部屋の中が変化していくケースが多いようです。

パターン2: 片づけを嫌いにさせるような、心の履歴がある。

具体的な内容が人それぞれで、それが故に厄介なのがこちら。

片づけを嫌いにさせるような心の履歴がある、とはどういうことでしょうか?

例えば、片づけをしないことを親に強烈にガミガミ言われて、それ以来片づけ自体も怖くなってしまった。。。なんてケースが挙げられます。自分にとってイヤな事件が、心の重りを残しているパターンで、一種のトラウマが災いしているとも言えます。

このパターンでは、自分でそのイヤな事件を思い出せる場合には、そのことに手を付けよう!と思うとその事件が思い出されて躊躇してしまう、ということにが起こりやすいです。また、その事件を忘れている場合には「なんだかわからないけど身体が動かない」ということになり易い。この場合は、そのトラウマの影響を解消してあげると、片づけに向かうのがだいぶラクになったりもします。

このパターンに当てはまっていた例として、先日片付けに関するお悩みを解消したい!ということでいらっしゃったクライアントの方のエピソードを挙げさせていただきます。
※クライアントの方からご許可を頂き匿名で掲載しています。

お話を伺っていくと、とにかく「捨てるべきものを捨てられない」というところでお困りの様子でした。捨てるぞ、捨てるぞ、、、って意気込んでも、身体が最後まで動いてくれないとのこと。

最初に提供させて頂いたのは、苦手意識を解消するワークでした。でもそれだけではいまひとつスッキリしておらず、片付けのことを考えるとまだモヤモヤするご様子。さらにワークを進めながらお話を伺って行ったところ、ある時ふと一つの事件をポン!と思い出されました。

「ああ~そう言えば。家族の一人が、物を捨てるということをとにかく嫌っていました。そのせいからか、自分の中に、物を捨てることへの罪悪感があります。物を捨てよう!と思うと同時に、良くない!って思いがつい出てきてしまうようです。」

実際に、その罪悪感を感じて頂くワークをしてみると、確かに心と身体に感じる違和感もそこそこ大きい模様。そしてその違和感を解消したところ、かなりスッキリされ、罪悪感もだいぶ軽くなったご様子。明るいお顔で帰っていかれました。自分でも思わぬことが災いしている、という好例です。

ちなみに、モノの絶対量が多すぎる、モノを減らさないままに買い物をしてしまう、、、などのケースでも、この「心の履歴」が災いしている可能性はあります。このブログで過去に紹介したものでは、「執着」という感情を解消したらモノを捨てられるようになったという例があります。

パターン3: 単に苦手意識が強い。

他の人にとっては何でもないことでも、ご本人が慣れていないことというのは、思いのほか強い苦手意識を感じる場合が多いです。たかが苦手意識、と侮れないレベルでこの「単に慣れていない」が災いしている、、、というケースは少なくないものです。

例えば、料理をしたことがない人にとっては料理をすることがすごく大変でおっくうなことに思われたりもするでしょうし、中学高校大学と、ずっと女子高に通っていました、、、という方で、長い間男性との会話が少ないが故に、卒業したての時点で男性と話すことに大きな抵抗があったりするケースなどもありますよね。片付けでは、昔からなんとなくちょっと乱雑な部屋で過ごしていたために、そもそも綺麗に片付けをするのに慣れておらず苦手意識がある、、、というのがよくある例です。

こうした苦手意識って、自分の中では些細なものに思えても、実は行動を妨げる力が強いです。特に、片付けというものは「やらないまま現状維持でも自分がギリギリOKならどうにかやっていける」と思えてしまう側面もありますから、片付けをせずに過ごすのが一番心身にとってラク、、、ということにもなりがちです。

こうした場合は、その「慣れていないが故の苦手意識」を解消すれば、問題の解決はぐっと近づきます。ほとんどの場合は、苦手なものに対した時に感じる緊張感を丁寧に解消してあげることが一番有効です。(すべての苦手意識の背景には、本人が気づいている・いないにかかわらず、身体の緊張が大なり小なり伴っています)

以上、3つのパターンを挙げさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。片付けをやりたくてもできない!を解消する参考になれば幸いです。

心と体の統合セラピーに関する情報はこちら
クライアントの声はこちら

参考記事:
片付け・断捨離の失敗例(リバウンド)と心の関係。
やっぱり大きな影響を与える、子供の頃の親との関係。
「トラウマ・条件反射・身体の関係。」
「身体は感情を記憶する。『身体記憶』のお話」
筋膜リリースと、トラウマ・邪気の関係。
心の問題に深く関わる「トラウマ」と、その正体。
無意識の緊張。気づきやすい場所と気づきにくい場所があります。
コリ・ハリと「筋膜」と心の関係。

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