パワハラ・モラハラによるうつに悩む方の共通項と、対策について。
パワーハラスメント(以下パワハラ)やモラル・ハラスメント(以下モラハラ)を継続的に受け、そのストレスによってうつ状態に陥った方も、当方のセッションにはよくいらっしゃいます。
在職中の方、すでに退職・休職をされている方、不眠でお悩みの方、体力が枯渇してしまっている方、気分の激しい落ち込みに悩む方、肩・首など、身体の痛みが出ている方など、状況はさまざまです。
この記事では、パワハラ・モラハラによって引き起こされた、うつ症状やその他の心身の不調にお悩みの方が、元気なコンディションを取り戻すためのヒントについて書いてみます。
※なお、当方でも、パワハラ・モラハラを受けて激しいストレスに苦しんでいる方には、休職・配置転換の依頼などを職場などで行われることをおすすめすることは多いです。心身のコンディションを整えることと並行して、ストレスの元であるパワハラ・モラハラから離れるための対策を取っていくのが、状況を改善していくにはベストです。
パワハラ・モラハラで心身のコンディションを崩されている方の共通点。
当方のセッションに来られる方の環境・症状は本当に様々なのですが、実は、パワハラ・モラハラによるうつ症状などに苦しんでいる方には一つだけ共通点があります。
それは、心身が「恐怖・不安モード」にはまってしまい、そこから抜けられなくなっていることです。
パワハラ・モラハラで起こりやすい「恐怖・不安モード」の継続。
便宜上「恐怖・不安モード」と書きましたが、これは、「恐怖・不安により身体が激しく緊張してしまっている状態」を指します。恐怖・不安に心身が支配されて、無意識のうちに強く緊張してしまっているんですね(無意識の緊張だけに気づかないことも多いです)。また、緊張している部位に、コリ・ハリ・痛みが発生していることも多いです。
個人差はあれど、以下の3種類の緊張が、当方のセッションに来られるほとんどの方には見られます。
1)肩・首・胸・お腹など、体幹部が強く緊張している。
2)呼吸周りの筋肉が緊張し、呼吸が非常に浅くなっている。
3)目の周りが緊張している(目の周りが緊張していると、リラックスした状態や冷静な心でいることが難しくなります)
パワハラ・モラハラによる緊張は、他の心身の緊張に比べ強いものであることが多いです。
パワハラ・モラハラの場合、激しい叱責や嫌味を浴びせられたり、不機嫌な態度を取られることなどが日々繰り返されます。そんな環境で過ごしていると、職場で過ごしている間中、「またイヤミな態度を取られるのではないか」「また罵倒されるのではないか」と、恐怖や不安感に苛まれることになってしまいがちです。結果として、パワハラを受けている瞬間も、そうでない時も、「恐怖・不安により心身が緊張してしまっているモード」=「恐怖・不安モード」が(仕事が終わって帰宅した後でも)ずっと継続するようになりやすいのです。
すでに職場を離れて休職・退職をされている方の場合でも、なかなかその「恐怖・不安モード」から抜けられずに、心身のうつ状態が継続したまま、、、というケースもあります。
そして、この「恐怖・不安モード」は、常時緊張して、呼吸が浅いままでいるわけですから、相当に心身が消耗します。体力はどんどん削られていきますし、緊張により質の良い睡眠も取りづらくなります。さらに、こうした状態だとどうしても考えることがネガティブな方向に向かいがちで、それが恐怖感・不安感を掻き立てたり、心身のコンディションをさらに悪化させる要因になる、、、という悪循環も起こしがちです。パワハラ・モラハラが、大きく心身のコンディションを損ねる背景は、このようなメカニズムがあります。
「恐怖・不安モード」から抜けるには、身体をまずリラックスさせること。
では、こうした「恐怖・不安モード」から抜けるにはどうするかですが、これは「身体をまずリラックスさせること」に尽きます。心身のコンディションが崩れている時には、何はともあれまず身体のコンディションを整えることが先決です。身体がリラックスして楽になって来ると、それに付随して、恐怖感・不安感なども次第に軽くなります。ポジティブ思考や考え方の工夫などで心に働きかけるより、身体に働きかけるほうが着実に効果を出しやすいです。
パワハラ・モラハラによる緊張やうつ症状は、重いものであるケースも多いため、基本的には当方のセッションをはじめ、専門家の方のサポートをお早めにご利用されることをおすすめしていますが、それでも自分で少しでも対策を取りたい!という方のために、一つだけ対策をご紹介します。
その対策は、「呼吸を意識しながら、胸・おなか周り(呼吸にかかわる部位)を中心に、頭から足先まで、全身をたくさん、たくさんさすってあげる」というものです。さすっていて心地よい程度の力加減で、じっくり、時間をかけてさすってあげてください。
最初は胸・お腹などをたくさん、たくさんさすって、楽に深く呼吸ができるような状態を少しでも作ってから、その後で他の緊張している部位をたくさんさすってあげるのが、効果を上げやすいでしょう。緊張している場所やコリ・張りの強い場所は、重点的にさすってあげるのがおすすめです。
身体をさすることには、多くの方が想像するよりも高いリラクゼーション効果があります。胸周りの緊張がほどけ、自然と呼吸が深くゆったりして来るまで行うことで、落ち着いた気分や、リラックスした感覚を多少なりとも取り戻せて来たりする場合があります。一度試していただいて、もしも少しでも改善が見られるようでしたら、毎日行ってみると良いでしょう。(もちろん、それと並行して、休職・配置転換など、ストレスの元であるパワハラ・モラハラから遠ざかるための対策は別途取ることが望ましいです)
心と体の統合セラピーに関する情報はこちら。
クライアントの声はこちら。
参考記事:
押しの強い人・威圧感のある人が苦手な人は、過去の人間関係を見直してみよう。
休職期間中におすすめの取り組みは?
無表情な人、不機嫌な人がもたらすストレスに気をつけよう。
「毒になる親」の「毒」とは「身体の緊張グセ」のこと。
自信が持てない時は、身体の緊張に意識を向けてみよう!
Noと言えない、断れない!を心身両面から解消するヒント。
やっぱり大きな影響を与える、子供の頃の親との関係。
うつ症状に悩まれている方の共通点は、身体の緊張。
「怒りっぽい・イライラしやすい」は、身体から改善しよう。
身体は感情を記憶する。「身体記憶」のお話。
心身が芯からラクになる!「テニスボール健康法」のススメ。
筋膜リリースと、トラウマ・邪気の関係。
心の問題に深く関わる「トラウマ」と、その正体。
理由のない苦しさ(不安・落ち込み・もやもや気分など)の原因は?
「鬱屈」という言葉の正体。
体の「コリ」に蓄積される感情
無意識の緊張。気づきやすい場所と気づきにくい場所があります。
コリ・ハリと「筋膜」と心の関係。
心のクセと「コリ・ハリ」の無限ループ。
過去の記憶と体の痛み。
コメントはまだありません »
コメントをお寄せください(管理者承認の後に公開されます)。
コメントの投稿